TOP 第111回 国試速報掲示板 I問題 111I-43

I問題

タイトル:111I-43 コメント数:15 注目

111I-43

1: ちりりん   

b?眼圧は…?

2: 神代あすか   

受診のきっかけとなったのは「右視神経乳頭陥凹の拡大」、つまり
緑内障性視神経症の疑いを指摘されたことにありますので、
問題解決のためにまずおこなうべき検査は
散瞳下での眼底検査で緑内障性視神経症を疑う所見(陥凹の局所拡大、
ノッチング、乳頭出血、網膜神経線維層欠損の有無など)を確認することです。
散瞳眼底検査と同時に細隙灯検査で透光体の混濁(白内障など)評価も重要です。

そして眼底の異常に一致した部位に視野感度異常がないかをHumphreyもしくは
Octopus静的視野、Goldmann動的視野検査で確認します。
さらにMRIで視路障害などの鑑別を行った上で、
経時的に視神経網膜変化およびそれに一致した視野異常が進行するかどうかを
見極めて、最終的に原発開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障を含む)の確定診断へと
至ります。

要するに専門的には「緑内障診断は一日にして成らず」なのです♪(電)

正解. e

3:     

緑内障に散瞳って禁忌では?

4: xx   

慢性閉塞隅角緑内障で、散瞳は禁忌でしょう
bでいいと思います

5: megu   

実臨床では散瞳をするのでしょうが、国家試験としては禁忌だと思います。そもそも眼圧測定が選択肢にないし・・・隅角検査をして、閉塞性なのか開放性なのか鑑別をつけたいのですが、どっちもないので、視野検査bですかね。

6: 神代あすか   

散瞳(抗コリン薬)の原発閉塞隅角症(かつての急性緑内障発作)誘発リスクの
判断基準は緑内障の診断自体にあるわけではありません。隅角、虹彩、水晶体、
および毛様体を包括した前眼部の解剖所見がリスクを左右します。5番の方が
指摘されましたように隅角が開放しているか否かが指標となりえます。
しかし明確な基準はなく、実際にはShaffer分類2程度であっても、誘発リスクの
より低いフェニレフリン塩酸塩点眼液(アドレナリン作動薬)での散瞳を
試みますし、より狭い隅角であれば予防的にレーザー周辺虹彩切開術を
行った上で散瞳検査を行えばよいのです。
本問題は「悪心を伴う頭痛」(眼痛とは言っていない)と「霧視」をしばしば
自覚すると記載されていますが、それのみでは閉塞隅角(機能的閉塞隅角を
含む)を診断する根拠とはなりません。残念ながら前眼部もしくは
隅角の写真が表示されておらず、所見の記載もされていませんので
判断となる基準すらありません。極めて設定不十分と言えます。

7: 神代あすか   

では、眼底所見が不明(人間ドックから眼底写真を持参したかどうかは
記載されていません)な状況で最初に視野検査を行うことが
緑内障診断のプロセスとして正しいかという点ですが、
答えは「No!」です。最大の理由は視野検査の異常検出感度の問題です。
実際には緑内障性視神経症(つまり網膜神経節細胞の障害)は
緑内障性視野障害に先行して生じるというエビデンスは確立しています。
したがって、眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層
欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態(これをPreperimetric glaucomaと言います)が
ありえるわけで、そのような眼に視野検査だけを行っても「正常」の一言で
スルーされてしまうでしょう。ですから、緑内障の診断には眼底の所見が
最優先されるわけであり、眼底所見を的確に把握することによって
次に行う視野プログラム(Humphrey視野30-2プログラム?それとも10-2
プログラム?はたまたGoldmann視野?)の的確な選択が可能となります。

付け加えますと、緑内障の診断(続発緑内障などの例外はありますが)において
眼圧値は二次的なものです。むしろ眼圧値は緑内障の治療管理に
もっとも重要な指標となる(緑内障の唯一の治療エビデンスは眼圧下降)
ものです。

8: 神代あすか   

最後に(しつこくてすみません)散瞳・縮瞳薬の隅角への作用をまとめます。

抗コリン薬:①散瞳および虹彩剛性低下(瞳孔括約筋の弛緩による)
      ②前房は深くなる(毛様体筋の弛緩→水晶体が硝子体側に移動)

コリン作動薬:①縮瞳および虹彩剛性亢進(瞳孔括約筋の収縮による)
       ②前房は浅くなる(毛様体筋の緊張→水晶体が角膜側に移動)

この作用、眼科医でも勘違いしている人を多く見かけます。

ちなみに、4番の方が言及した慢性閉塞隅角緑内障(この問題文から
どうやって診断できたのかな?)ですが、実は禁忌なのは縮瞳薬の方です。
理由は水晶体の前方移動によって周辺虹彩前癒着を進行させて眼圧を
さらに亢進させる可能性が高いからです。

9: 神代あすか   

参考までに日本緑内障学会が作成した
「緑内障診療ガイドライン(第3版)」における
緑内障診断フローチャートを挙げておきます(PDFを開けない人はごめん)。

http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/glaucoma3-1.pdf

眼底検査が視野検査よりも優先されているのがお分かりでしょうか?
この問題、選択肢eを普通に「眼底検査」としておけば
問題なかったような気がしますw

10:   

説明細かすぎわかりやすすぎワロタw

11: み   

眼科専門医があーだこーだ仰ってるようだけど受験生目線だとまずときたら眼底視野が同列だし、(KSR先生の前日メールでもバシッと当ててくれた)この場合は普通に散瞳禁忌でe切るから
例えポリクリやらで専門的な知識教わったとしても、基本的に眼科なんて興味無い受験生ばっかりなんだから過去問しかやらねーよ(笑)

12: 受験生   

緑内障に散瞳薬が禁忌、というのは、学生にとっては常識です。専門医らしき方も、学生時代はそう覚えていたのでは? しかし、禁忌なのは散瞳薬ではなく縮瞳薬だと仰る。そうなると、学生は全員間違った常識を教えられていることになります。
「緑内障に禁忌なのは、散瞳薬ではなく縮瞳薬」の根拠となる文献やガイドラインを教えて頂ければ幸いです。

13:   

「まず」.なのでさすがに視野検査です。

14: 神代あすか   

12番様

閉塞隅角はあくまで結果としての病態で、
それに至るまでのメカニズムは必ずしも同一ではありません。
詳しくはhttp://www.nichigan.or.jp/member/guideline/glaucoma3-3.pdfの
分類に示しますが、大きく分けると
「瞳孔ブロックによる閉塞隅角」と
「瞳孔ブロックによらない閉塞隅角」の2種類です。

前者であれば少なくとも未治療であれば散瞳薬は禁忌と言えます。
理由は瞳孔ブロックを生じやすい(ただしメカニズム未確定)だけでなく
瞳孔括約筋を弛緩させることで瞳孔ブロックに続発して生じた虹彩の膨隆が
解除されにくくなるからです。ちなみに縮瞳薬を治療に用いる目的は
縮瞳に加えて虹彩の剛性を上げる(硬くする)ことで瞳孔ブロックを解除する
ことにあります。

後者の場合は瞳孔ブロックは存在せず、悪性緑内障のように
水晶体や虹彩全体が角膜方向へ前方移動することで隅角が閉塞するか、
ぶどう膜炎続発や血管新生緑内障のように周辺虹彩前癒着の拡大による閉塞で、
そのようなメカニズムで隅角が狭い場合は毛様体筋の弛緩によって
水晶体を後方移動させるメカニズムをもつ散瞳薬が有用で、
毛様体筋の緊張作用によって水晶体を前方移動させてしまう
縮瞳薬が逆効果ということになります。

つまり同じ閉塞隅角でもそれに至るメカニズムの違いによって
散瞳縮瞳の適応禁忌が変わってくるということです。

15: 神代あすか   

では皆さんが散瞳薬禁忌の根拠として挙げていらっしゃる「緑内障」の定義ですが、
これはhttp://www.nichigan.or.jp/member/guideline/glaucoma3-2.pdfにあるように
視神経、つまり網膜神経節細胞の構造的機能的異常です。

実際に散瞳薬(特に抗コリン薬)が禁忌(もしくは慎重使用)と考えられている(しかし
明確なガイドラインはない)のは、「瞳孔ブロックを誘発するリスクの高い、
未治療の狭隅角あるいは閉塞隅角」です。

つまり「緑内障」の意味と、散瞳薬使用が禁忌である病態の意味が
全く異なっているという現状があるのです。

かつては緑内障の診断「常識」が眼圧亢進による時代(正常眼圧緑内障の概念が
なかった)があり、「緑内障禁忌」はその時代の産物と言えます。
ちなみに当時の私の恩師は眼圧亢進の有無で散瞳点眼薬の可否を決めていました。
しかし時代とともに緑内障の知識が進歩し、現状にそぐわなくなっています。
具体的に言えば実際にはリスクのない「原発開放隅角緑内障」が「散瞳薬禁忌」と
なる一方で、実際にはリスクの高い「緑内障のない閉塞もしくは狭隅角」が
抗コリン薬禁忌とならなくなる矛盾が生じてしまうのです。

総括しますと、本問題は
①右視神経乳頭陥凹の拡大(これだけでは緑内障の確定診断にはならない)
②時に頭痛・嘔気・霧視(やはりこれだけでは原発閉塞隅角の診断にならない)
③緑内障、閉塞隅角の根拠となるべき画像所見や術語が提示されていない。
という欠陥があります。
正解をbにするには、7に記載した理由で緑内障の診断プロセス上問題がありますし
eでは皆さんがご指摘のように散瞳薬使用の安全性が確保されていない(逆もまた
然りですが)が問題です。このシチュエーションで「まず」行うべき検査は、
散瞳薬による原発閉塞隅角症誘発のリスクの有無を判断する最大の決め手となる
隅角検査なのですが、それが選択肢に示されていません。

したがってこの問題を採点基準の見地からどう扱うかは、
個人的には除外が妥当ではと考えますが、
正式な発表を待ちたいと思います。


 
番号 タイトル コメント数  
1 111I-1 11 チョイ割 注目
2 111I-2 4
3 111I-3 5
4 111I-4 6 割問
5 111I-5 3
6 111I-6 8 割問
7 111I-7 4
8 111I-8 4 割問
9 111I-9 4
10 111I-10 3 チョイ割
11 111I-11 4
12 111I-12 3
13 111I-13 3
14 111I-14 5
15 111I-15 2
16 111I-16 4 割問
17 111I-17 4 チョイ割
18 111I-18 2
19 111I-19 3
20 111I-20 7 チョイ割
21 111I-21 3
22 111I-22 2 チョイ割
23 111I-23 4
24 111I-24 5
25 111I-25 2
26 111I-26 7 チョイ割
27 111I-27 8 割問
28 111I-28 5 チョイ割
29 111I-29 9
30 111I-30 7 割問
31 111I-31 3
32 111I-32 6 割問
33 111I-33 4
34 111I-34 6 割問
35 111I-35 3
36 111I-36 2
37 111I-37 5
38 111I-38 3
39 111I-39 7 割問
40 111I-40 2
41 111I-41 14 割問 注目
42 111I-42 6
43 111I-43 15 注目
44 111I-44 7 割問
45 111I-45 5
46 111I-46 25 割問 注目
47 111I-47 3
48 111I-48 9 割問
49 111I-49 3
50 111I-50 3
51 111I-51 17 割問 注目
52 111I-52 4
53 111I-53 3
54 111I-54 2
55 111I-55 8
56 111I-56 3
57 111I-57 4
58 111I-58 2
59 111I-59 9 割問
60 111I-60 2
61 111I-61 3
62 111I-62 16 注目
63 111I-63 2
64 111I-64 2
65 111I-65 3
66 111I-66 3
67 111I-67 4
68 111I-68 3
69 111I-69 4
70 111I-70 3
71 111I-71 30 注目
72 111I-72 2
73 111I-73 9 割問
74 111I-74 3
75 111I-75 8 割問
76 111I-76 3 チョイ割
77 111I-77 4
78 111I-78 4
79 111I-79 20 割問 注目
80 111I-80 5
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