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第111回 国試速報掲示板
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I問題
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111I-43
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返信先: 111I-43
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では、眼底所見が不明(人間ドックから眼底写真を持参したかどうかは 記載されていません)な状況で最初に視野検査を行うことが 緑内障診断のプロセスとして正しいかという点ですが、 答えは「No!」です。最大の理由は視野検査の異常検出感度の問題です。 実際には緑内障性視神経症(つまり網膜神経節細胞の障害)は 緑内障性視野障害に先行して生じるというエビデンスは確立しています。 したがって、眼底検査において緑内障性視神経乳頭所見や網膜神経線維層 欠損所見などの緑内障を示唆する異常がありながらも通常の自動静的視野検査で視野欠損を認めない状態(これをPreperimetric glaucomaと言います)が ありえるわけで、そのような眼に視野検査だけを行っても「正常」の一言で スルーされてしまうでしょう。ですから、緑内障の診断には眼底の所見が 最優先されるわけであり、眼底所見を的確に把握することによって 次に行う視野プログラム(Humphrey視野30-2プログラム?それとも10-2 プログラム?はたまたGoldmann視野?)の的確な選択が可能となります。 付け加えますと、緑内障の診断(続発緑内障などの例外はありますが)において 眼圧値は二次的なものです。むしろ眼圧値は緑内障の治療管理に もっとも重要な指標となる(緑内障の唯一の治療エビデンスは眼圧下降) ものです。
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