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第111回 国試速報掲示板
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F問題
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111F-24
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返信先: 111F-24
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■人工呼吸器患者においては,より低いSpO2での管理でよいと考えられているが,明確なコントロール域の検討はなされていない[22].実臨床ではSpO2>98%の時間が長い患者が多いなど,過剰な酸素投与が頻繁に行われている実態も観察研究として報告されている[23,24].近年のSuzukiら[25]の予備前後比較研究では90-92%での管理でも問題はなかったと報告されており,また,ICUスタッフへのアンケート[26]では90-92%での管理プロトコルは容易であったとの回答が9割以上であった.この管理域がbestであるかについて今後予備RCTが組まれる予定である. ■COPD患者においては酸素投与でCO2ナルコーシスが生じるリスクがある.しかし,臨床現場では「COPDだから一定以上の酸素量を投与してはならない」という誤解がよくあり,中には看護指示で「酸素は最大5L/分まで.改善なければドクターコール」としている医師もみかける.しかし,COPD患者では血中酸素濃度が上昇しすぎることが問題であり,呼吸不全に陥っている場合は酸素投与を躊躇してはならず,酸素投与量よりもSpO2を見て判断すべきである. ■Austinら[27]は,COPD急性増悪患者の救急搬送時にSpO2 88-92%管理群と酸素8-10L/分投与群を比較した405例RCTを行い,SpO2管理群の方が死亡率が有意に低かった(2% vs 9%; RR 0.42; 95%CI 0.20-0.89; p=0.02).Plantら[28]は,COPD急性増悪患者でPaO2>75mmHgの患者の多くが呼吸性アシドーシスを示しており,低酸素血症と呼吸性アシドーシスを回避するためにはSpO2を92%以下にコントロールすべきとしている.GOLDのガイドライン[29]においても,COPD急性増悪に対してはSpO2 88-92%を推奨している. http://drmagician.exblog.jp/22262792/
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