ａ △ 国試的には視野異常はMariotte盲点の拡大（乳頭腫脹を反映した結果）だが、長期に経過すると視神経萎縮に至る。その際に求心性視野狭窄を呈する可能性はある。
ｂ × 視交叉腫瘍であるので教科書的には両耳側半盲である。しかし、実際の臨床では教科書的両耳側半盲を呈する例は極めて少ない。
ｃ × 病変の範囲にもよるが、典型的には中心暗点である。
ｄ △ 典型的には中心暗点、盲中心暗点であるが、求心性視野狭窄をとる例も少なからずある。
ｅ △ 初期には鼻側階段、Bjerrum暗点をきたす。緑内障は耳側視神経が障害されにくいので、末期では周辺視野が消失して、中心視野だけが求心性狭窄の形として残る場合が多い。

正解：1つ選ぶならばｅ

ｅ

　予想通り、この問題は解答が割れましたね。
　「求心性視野狭窄が典型的な疾患は何か？」と問われたら答えに躊躇するのが正直なところです。かつての視覚障害（視野）認定基準は、「求心性視野狭窄があること」が前提になっていました（今は違います）。この基準を設定した背景には、網膜色素変性症の患者様を救済するという思惑があったようです。このことから、先述の問いに近いのは網膜色素変性ではないかと思われます。もっとも、こちらも典型的な視野障害は輪状暗点で、求心性視野狭窄を呈するのは進行期に限られますが。
　良問とは言い難いと考えます。