【解説】アプローチ　
①53歳の男性
②2か月前からの右眼視力低下
③20年来、医療機関の受診なし
④視力は右手動弁、左 (0.6)
⑤右眼眼底は透見不能
⑥尿糖 4+、血糖255 mg/dL、HbA1c 11.4%

画像診断　別冊No. 31Aの左眼眼底写真は不鮮明だが、点状、斑状出血が散在している。31Bのフルオレセイン蛍光眼底造影写真では毛細血管瘤が多数みられる。周辺部網膜は全て無血管領域となっている。明らかな網膜新生血管はみられない。

診断名　 糖尿病網膜症（眼虚血症候群の関与も否定できない）

ａ × 右眼の状況が不明であるが硝子体出血等の増殖糖尿病網膜症が明らかで、保存的治療が困難であれば、硝子体手術（水晶体再建術を併用する場合が多い）の適応となりうる。まず行うべき治療では必ずしもないが。
ｂ 〇 左眼は周辺眼底が重度の虚血に陥っており、増殖糖尿病網膜症への移行のみならず、血管新生緑内障合併のリスクが高いため、早急な汎網膜光凝固が必要である。
ｃ 〇 血糖コントロール、食事療法、患者への教育が必須である。
ｄ × 無効であるし、糖尿病を増悪させうる。
ｅ × ｄに同じ。

正解：ｂ、ｃ