この問題は「高血圧性脳出血が最もよく発生する部位はどこか?」という問いです。
正解は d. Putamen(被殻) です。
高血圧性脳出血(hypertensive intracerebral hemorrhage)は、慢性的な高血圧が原因で脳の細い動脈が損傷し、出血を引き起こす病態です。特に、細い穿通動脈(small penetrating arteries)が損傷を受けやすく、特定の部位で出血が起こりやすくなります。
高血圧性脳出血が最も発生しやすい部位として、以下の順番で頻度が高いとされています:
1.被殻(putamen) → 最も多い
2.視床(thalamus)
3.小脳(cerebellum)
4.橋(pons)
このうち、被殻(putamen)が最もよくみられる部位です。
選択肢の解説
a. Amygdala(扁桃体) → 扁桃体は主に情動や記憶に関与する部位であり、高血圧性脳出血の好発部位ではありません。
b. Hippocampus(海馬) → 記憶に関与する部位であり、出血はまれ。
c. Hypothalamus(視床下部) → 自律神経系の調整を行う部位で、出血の頻度は低い。
d. Putamen(被殻) → 最も高血圧性脳出血が起こりやすい部位。正解です。
e. Red nucleus(赤核) → 運動調節に関与する中脳の構造で、出血の頻度は低い。
雑談ですが、それぞれの脳の部位の名前は、ラテン語やギリシャ語から由来しています。
a.Amygdala(扁桃体)
ギリシャ語の「amygdalē(アミグダレ)」は「アーモンド」を意味します。扁桃体の形がアーモンドのように見えることから、この名前が付けられました。
b. Hippocampus(海馬)
ギリシャ語の「hippos(ヒッポス)」は「馬」、「kampos(カンポス)」は「海馬」を意味します。海馬の形状が馬のように見えることから、この名前が付けられました。
c. Hypothalamus(視床下部)
ギリシャ語の「hypo(ヒポ)」は「下」、「thalamus(サラマス)」は「室」を意味します。視床下部は脳の中で視床(thalamus)の下に位置しているため、この名前が付けられました。
d. Putamen(被殻)
ラテン語の「putamen(プタメン)」は「殻」や「皮」を意味します。被殻は大脳基底核の一部で、外側が殻のように見えるため、この名前が付けられました。
e. Red nucleus(赤核)
ラテン語の「nucleus(ヌクレウス)」は「核」を意味し、英語でもそのまま使われています。赤核はその名の通り、視覚的に赤みを帯びた色合いを持っているため、この名前が付けられました。
翻訳さえできれば、簡単な問題だと思います。
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