MEC国試速報掲示板
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第118回 国試速報掲示板
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F問題
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118F-23
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返信先: 118F-23
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私の関係している大学の卒業生および全国の自己採点結果が予備校から報告されたのですが、この問題の出来があまり良くなかったので見直してみました。前提条件が不十分ではないかというご意見もあって、これはある意味もっともだと思います。少し統計学的に深掘りしてみると、 ・ポピュレーションベースの疫学研究においては血圧はほぼ正規分布することがわかっている。ただし病的な条件の場合は話が変わってくる。また血液生化学検査などでは、健常者だけの場合にも、正規分布する検査値と対数正規分布する検査値があり、さらに病的な場合、つまりある病気のときにポーンと数値が跳ね上がるような検査値の場合にはどちらにもあてはまらない場合もある。したがって、対応のないt検定、検査値の対数を取ってから対応のないt検定、ノンパラメトリックな対応のない2群間の代表値の差の検定であるWilcoxon rank sum test (Mann-Whitney testと同等)の3つから適切な検定法を選んで検定する必要がある。 ということになります。 ただし、もう一度設問文を見直してみると、「2群間の平均の差を比較」とあります。代表値の差ではなく平均の差ですから、ノンパラメトリック検定のことを考える必要はない出題です。つまり問題なく、a t検定 が正解ということですね。b-eを選んだ受験生は単純に勉強不足だと思います。 さらに深掘りを追加すると、正規分布とみなせる場合でも昔の考え方ではまず等分散性の検定を行い、等分散とみなせるならば通常のt検定、みなせないならばWelchのt検定を行う必要があるという考え方が一般的でした。しかし近年は、検定を繰り返すことによる「多重性の問題」を避けるために最初からWelchのt検定を行うべきという考え方も一般的になりつつある状況です。もっとも、ノンパラメトリック検定と同様、そこまでの深掘りを要求している出題ではないため、正解がa t検定であることに変わりはありません。 長文失礼しました。
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